3人の生活のスタート
おじいちゃんが退院してきて,私たち夫婦と3人の生活が始まって2週間が経った。
だいぶ生活のリズムが出来てきたと思った頃 コロナワクチン接種の日がきた。
私はおじいちゃんを車に乗せて接種会場であるクリニックに行く事になった。
その道中のこと・・
脇道に入ろうとして私の車が通り過ぎるのを待っていた車に
私はどうぞお先にというようにパッシングで合図した。
それを知らないおじいちゃんは 前方からこちらに来る車に向かって
「早く行け!」と叫んだ。
(何をそんなに焦っているのだろう? 時間はたっぷり余裕を持って出かけてきたのに・・)
そして交差点で右折するために、流れが止まるのを待っていた時、
「車が多いな!」と怒った様に誰に言うともなく大声を発する。
(私の車は軽で小さいので 近寄ってくる車が怖く思えたのかな?)
その時 私はすべてを悟った。
これだ!
このおじいちゃんの言霊の悪さにやられたおばあちゃんは
そばに居ることを拒絶してしまったんだ。
おばあちゃんが行ってしまったいきさつは こちらから→
今までならお舅さんにもの申すなんて事はなかった私も
これが今から一緒に暮らす人かと思ったら 悲しくなった。
そしてその言霊の悪さがおじいちゃん自身にもいい影響があるはずはないと
とっさに
私「お父さん 今日はお父さんを乗せているから 私も安全運転で行きますよ。
道路は譲り合いで 安全だから・・」と
父「そうか・・」 少し声のトーンが落ちてきた
そしてその瞬間に43年間OT(作業療法士)として働いてきた私のOTマインドに火がついた。
目標「おじいちゃんの言霊を良くする」
私の今まで培ってきた経験を総動員しておじいちゃんの言霊をよくして
心も体も健康になってもらおう。
一番難解な事例は 一番身近にいた。
そして 無事にワクチン接種が終わり 帰り道
私「今日は歩きがしっかりしてきましたね。」
父「そうかな 自分じゃ分からんけど」
私「この前はこの坂で 息が切れてたですよね」
父「そういえば そうかな・・」
私「昨日少し散歩に行ったからじゃないですか?」
父「そんなもんで変わるのか?。」
私「お父さんそんなもんで変わるんですよ。私もずっとそういう仕事してるから
分かるけど ちょっとしたことで変わるらしいですよ」
父「そうか・・」
いつもは混み合うことで有名なそのクリニックだが 今日は誠にスムースに終わり
帰りの車の中 おじいちゃんは楽しみにしていた卓球の試合がまだ見れそう
な時間に家に着いたことに満足して 珍しくこう言った。
父「今日は調子よく来れたな・・」と (おっ 前向きな言葉がでたぞ!)
すかさず 私「お父さんがいつも頑張っているから 神様がそうしてくれたんじゃないですか・」と言うと
何と何と そんな表情今まで見たことのないほどの笑顔と声で
父「えりさんも嬉しい事行ってくれるじゃないか!」
もしかしたら今までおじいちゃんてあまり人から褒めてもらったことが
ないのかなと思った。
よしこの褒め褒め作戦で行ってみよう!
かくして私のおじいちゃんリハビリ大作戦は いよいよスタートした。